ちりとて ちん と パン職人

最近、私も高齢者の仲間入りを果たし、今の私の唯一の楽しみは、NHKの朝ドラです。

パン屋さんの開店の相談に、北陸の若狭、小浜に行く機会がありましたので、よけいに親しみを今回の朝ドラの ”ちりとてちん”には、感じます。
落語の世界をテーマにしています。
そして、その内容は、職人の世界に相通ずる世界です。

本日、11月27日の放送は、大変、素晴らしい場面に遭遇しました。

主人公が、掃除ばかりで、師匠に教えて頂けない事で、文句を言う場面で、兄弟子が、きよみちゃんは、落語を覚えたいのか?落語家になりたいのか?と聞く場面は、とても印象的です。
落語を覚えたいのなら、素人でも教えを請うことができます。
しかし、プロの落語家は、多くのお客様に笑っていただき、喜んで頂く事を仕事としています。
相手にとことん合わせる事、相手への気配り、まずは、身近な人に喜んでいただける事その為に掃除をする。落語家になる修行の一歩になります。

確かに私たちの世界も本来、自分を捨てるところからが、スタート地点です。
もし、そのことができるようになれば、本物に近づくことができます。
自分自身のこだわりを捨てる!  それが簡単に出来ません。頭では理解できても行動で表わすことが出来ないのです。もちろん反発する心も大切ですが。

パンを作ることが知りたいのなら、指導を受けたり、講習会等に参加する勉強方法はあります。
そして、自分自身の成長と技術の習得が、自己を満足させ、相手にその結果を共有できるように押しつけてしまうこともあります。

しかし、プロのパン職人を目指すことは、パンを作ることを知ることだけではありません。
お客様や同僚に喜んでいただく事が、最終的にプロとして認められることと思います。
このことが、最近特に若いスタッフに知って欲しい場面です。

この朝ドラのおかげで、人を育て、生かしていく事が本当に難しく、言葉で指導することの出来ない世界を感じることが出来ました。

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