雑穀食パン和
あまりグルマンでは売れないパンですが、私にはどうして作っていきたい思い入れのあるパンです。ドイツのプンパニッケルの日本バージョーンを作りたいと考えてできたグルマンオリジナルのパンです。グルマンで一番売れていないパンのひとつです。
今日は、ものづくりをしている者にとって大変うれしいことがありました。
一宮FACTORYで焼いている雑穀食パン和を天白の愛農様の店に配達するのに忘れて行きました。
結構、納品忘れが最近多く、私はかなり強く、一宮のスタッフに怒っていました。
確かに、おいしいパンを作くるのが、私たちの仕事です。しかし,お客様の手元に届いてこそプロの仕事です。
みんなのチームワークがあってこそ、そして、仕事に関わりある多くの皆さんに感謝する心が根底にあってこそと思います。
4斤のパンです。天白まで1時間30分かかります。愛農さんは注文では無いのでお店としては欠品でOKと寛大です。
一宮の責任者が、自分で持っていくと、言ってくれました。
今から行っても閉店間際の夕方6:30ぐらいの到着になります。
朝早くからパンづくりしているスタッフに、酷だなとも思いましたが、強い心を持って一緒に私も行きました。
到着した時、愛農様の店の片隅に1人のお客様が1時間以上、このパンを待っていらっしゃるそして、文句も言われずに、4斤とも買っていかれました。
淡々としたこの光景をまじかで見ながら、私と浅井君と二人で、来てよかった、そして、パンを作っていて良かった思いました。
人と人が、どこかで、知らないうちに結びついて、互いが、心の中で感謝することが仕事の本質のように感じました。若いスタッフが、私以上に心に感じることができた1日でした。
私は、現在の日本社会のアメリカ的な売れるものさえ作り、買いやすく、消費者の欲求に左右され、作り手は、今売れる商品さえ供給できれば良いという考え方に疑問を持っています。
お客様も結構、イメージでの消費行動が多いように思います。
これからも心に残る仕事ができればと強く思いました。